老いの超え方
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老いの超え方 著者:吉本 隆明 |
『老いの超え方』を読む。吉本隆明の語り書きの本は読みやすくていい。吉本隆明だから、普通の高齢者とは違うのかもしれないが、高齢者の心理としては参考になった。
「お年よりはぼんやりしているように見えても、頭の中は忙しく動いている」というようなことも、そうだなと思う。
夕方、時々夕食を作りに行く95歳過ぎの方が二人いる。この時期夕方はもう暗くなっているのに、真っ暗な家の中でソファやベットに座ってじっとしている。「電気もつけないで」と私は電気をつけるのだが・・・。その方たちは、うとうとしている訳でもなく、ぼんやりしていたわけでもなく、何かが頭の中をめぐっていた疲れが見える。過去の思い出、妄想、息子は何時に帰って来るのだという心配・・・・。少し経って、やっと我に帰り。「ああ、来てくれたんだね」と笑みが出る。
老いの超え方には、それぞれのやり方があるだろうけど、高齢者は表に出さないだけで感受性が子どものように強くなっていることを忘れてはいけないのだった。
それにしても、この本の吉本隆明の顔が吉本ばななにそっくりでかわいい。親子だものね。
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