介護人材確保のための緊急提言
先日、朝のラジオで樋口恵子氏が介護の現場の問題点を話していた。大いにうなずくことが多かった。舛添厚生大臣に「高齢社会をよくする女性の会」 http://www7.ocn.ne.jp/~wabas/ が提言書を渡したとのことで、下記に長いがその提言書を写させていただきます(長いので提言のⅠだけです)。介護保険が、当初の理念(行政に本当にあったのか疑わしいが)から遠ざかっているようだ。いろいろ声をあげていかなければと思う。
介護人材確保のための緊急提言
世界に先駆け超高齢化がすすむわが国において、人生のライフライン
である介護保険が、担い手の側から崩壊の危機に瀕しています。
四半世紀前の結成当初から私たち 「高齢社会をよくする女
性の会」は、介護の社会化を提唱、当時嫁に一極集申してい
た介護を、大切なものとして位置付け社会全体で支え合う活
動をすすめてきました。介護保険の成立は大きな成果でした
が、介護労働に従事する人たちの労働条件の現状は、まるで
介護が 「社会の"嫁"」によって担われている感があります。
介護者が幸せでなければ、要介護の高齢者が幸せになれるは
ずがありません。
私たち女性は介護従事者の8割を占め、家族介護者の4分の3を占め、ま
た要介護者の72%、一人暮らし高齢者の4分の3を占め、介護についてき
わめて高い当事者性を持っています。その視点からみて介護従事者の置
かれた状況を看過することはできません。
私たちはこの9月8、9日に開催された第26回全国大会・静岡
(約3千人)の全体集会において、本件に関して緊急提言するこ
とを満場一致で決議いたしました。以下にその要望を記します。
1 介護にかかわる人材確保のための緊急、・確実な待遇改善
1・介護従事者の賃金に1人月額3万円を上乗せする「3万円法」
(仮)の制定
① 介護従事者の賃金は平均を下回り、かつ確実な昇給の期待が
持てません。人間の生活の最終期を支える労働として報われると
ころが少な過ぎます。今すぐ介護に働く人々に月額3万円の上乗
せができるよう、たとえば 「介護人材確保緊急措置法」 (仮)
(通称3万円法)を時限立法で策定して当面の危機を乗り越え、長
期的には介護労働について適切な評価基準を明確に設定し、昇給
昇進の見通しを立てる必要があります。
② 財源については、本来税金で行なわれてきた地域支援事業費
を回すほか、事業経営の効率化などの工夫をし、安易に介護保険
料や利用者負担の増加に直結させないよう望みます。
③ 地域密着型事業所等の事務費の削減と可視化簡素化をめざし
て、地域全体の事業所事務のネットワーク整備を、厚生労働省
の責任で支援・推進してください。
④ 事業所は経営に関する情報公表をすすめるとともに、
介護報酬の一定比率を介護従事者の賃金として確保するよ
う基準を定め遵守し、公表することを望みます。
2・労働基準法等法令を遵守した経営
介護に従事するすべての労働者に対して、労働基準法はじ
め、男女雇用機会均等法、改正パート労働法の法規を経営
者は遵守してください。とくに、時間外賃金、深夜業の賃
金に浅する法令の遵守を求めます。
3・年金加入、福利厚生に関する特別の配慮
① 介護に従事する非正規労働者に対して、年金制度に緊急な特例
を設け、一定限度(週20時間以ア )の従事著にほ就労期間を年金に算
入すること。第3号被保険者でなくても、国民年金保険料の免除、
半減などの減額を行い、支給時には満額支給するなどの優遇措置
を求めます。
② 介護従事者の4割が健康に不安を感じています。介護に働
く人の健康の保持は、要介護者にとっても必須要件です。正
規・非正規を問わず介護従事者の公休による定期的無料健診
の確実な実施を求めます。
4・研修の代替要員派遣と専門介護職への道
研修に参加する介護従事者のために、潜在有資格者、ボランティア
経験者等による代替要員を確保し、一定の研修は無料とします。ま
た意欲ある介護従事者の個性と能力を生かして、要介護者の生活を
より豊かに支えるために専門介護従事者への道を開いてください。
また介護従事者として出発した有能な人材が管理職、責任者として
活躍する道をひらくよう望みます。介護保険に関連して働く事務・
管理部門の職員は、必ず介護現場の体験を持つよう望みます。
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