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2007年9月 2日 (日)

武田山荘

 今出ている「婦人公論」(9月7日号)に武田花さんが「泰淳・百合子の「武田山荘」を富士に還して」という記事を書いている。

 武田山荘を見に行ったことがある。その頃東京のはずれの八王子に住んでいて、体を壊して寝たり起きたりの生活の時、なにげなく図書館から借りた『富士日記』を毎日毎日読んでいた。夫に話したら、夫も読んで『富士日記』ファンとなる。ある秋晴れの日、河口湖のほうへドライブにいくことにした。そして、武田山荘のある別荘地に足を延ばす。別荘がたくさん建っていて、どれが「武田山荘」かわからない。『富士日記』によく出てくる管理棟があったので、入って行って聞いてみる。「百合子さん、いるかな。電話してみますね」と言われて慌てる。知り合いと勘違いしたみたいだ。でもいなくて、別荘の位置だけ教えてくれて、私たちは門の前で写真を撮って帰ってくる。

 花さんの文に「武田山荘」の周りの木が大きくなり、富士山も見えなくなったと書いてあった。百合子さんがせっせと苗を植える姿が目に浮かぶ。深沢七郎さんにもらった梅を植えている。

 わたしたちの「山の家」という山荘も、百合子さんの影響で建てたのかもしれない。私の身体を治すための転地療養でもあったが、その家の周りに私も苗を植え続け、10年以上経つと、森になってしまった。道路から見えていた家が見えない。村の人に「誰も来させないためか」と言われた。あの家もいずれ朽ち果てていくのかもしれない。

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