結婚の条件
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結婚の条件 著者:小倉 千加子 |
知り合った人が読んでみたらと勧めてくれた本が大学の図書館にあったので、昨日読んでしまう。
なんというか、女性だけでなく男性も含めて意識改革ができないと少子化はとまらない。もう諦めて充実した少子高齢化の道を探したほうがいいのではないだろうか、などと考えた。
私もどちらかというと、経済を夫に依存して自己実現の仕事を目指している奥さまの1人なのだろう。
ただ、先日あるサークルの集まりに顔を出して感じたのは、まさに夫がきちんと収入があり、自分はNPOを立ち上げ活躍し、でも「専業主婦が基本です」と胸をはって言える人が、地域の中でがんばっているのを、うらやましいと思った。
厳密にいえば、私は専業主婦であったことはないかもしれない。仕事をしていないのは病気の時ぐらいかな。家事も苦手なので「専業主婦です」と胸をはれない。
それに正直言って夫は自営業で金持ちではない。収入は不安定、定年はないが年金も保障もなにもない。それでもって年が離れていて60歳ちかい。本当に何もないのである。山の家ぐらいが財産かな(しかし、山の中なので値段などつかない代物)。夫の実家も金持だったけど没落したというもので、当てにできないどころか、今援助をしている。私はのんきに勉強なんかしないで、汗水たらして働かないといけないのだけど、勉強しているのはやはりもう少しまともな賃金が欲しいからである。もとの仕事に戻るにしても、もっとできるようになって戻りたい。しょうがないんだ。やるしかないという感じで動いている。だから、福祉現場の労働条件が気になる。もし夫が倒れたら、大学をやめて現場でフルタイムで働かないといけない。そのとき、福祉の仕事で家族を支える収入が確保されるだろか。だから、福祉現場に行きたくても、生活のために夫のようにパソコンに向かう仕事を選ぶかもしれない。
見かけは大学へ行っている優雅な奥様だけど、実情は違うかもしれない。大学に行けるのは、我が家の楽天主義と勉強が好きだからかな。「だんなに理解ある」と言われるが、その「理解」の中身が違うような気がする。「奥さんが勉強するのを許す」ではなく、「勉強しろ」だから。
正直なところ、経済を将来思い煩わなくていい身分というのは本当にうらやましい。私はいずれ経済の柱にならないといけない身なのである。でも私の中にも依存体質は大きく居座っている。もしかしたら、娘がいたら「苦労しない結婚」を望んだのかもしれない。そうして私の母が気に病んでいることも私が「お金で苦労する結婚」をしているからだ。今現在お金がない訳ではないけれど(出版社が倒産してお金がなく、私が教科書の仕事をして稼いだこともあった。)、ライターの夫なんて心底信用されていないのだ。夫は文書を書くことだけで妻子を養っていて忙しい。だが、近所の人からはリストラされたお父さんで、暇だと思われている。私のほうが外で動き回っているので稼いでいると思われている。
女性が労働から逃げ出したくても、経済的に無理がきている現在、プチ上流志向は消して、家族みんなで働いて生活を楽しむという方向に意識をかえていかないと、結婚に男性も踏み切れないのではないか。一生妻子を扶養するなんて大変で、それならひとりで好きなことしたいと思う男性も多いと思う。私が若い男ならそう思う。自分の楽しみ方を知っていたら、家事なんて一人でこなし、悠々と生きていける。
この本を読んで、私は何か覚悟ができたな。フリーでとにかく仕事して稼ぐのだ、ということを。依存体質を抜かなくては、もう依存できる相手はいなくなっていくのだから。
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