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2008年2月27日 (水)

インドネシアから介護の担い手

 日本とインドネシアが経済連携協定(EPA)というものに合意してインドネシアから看護師や介護士の候補生として来日するらしい。http://www.asahi.com/health/news/TKY200802100149.html

 理由は介護の人材不足であるが、人材はまだまだあると思う。掘り起こさなくてもある。ヘルパーの資格を持っていて仕事をしていない主婦も多い。人並みの生活ができるくらい賃金が上がり、失業保険、健康保険、年金などの保障があれば希望者は多いだろう。それが望めないから、「まだレジを打っていたほうがお金になる」と人材は流れる。

 介護者の賃金をおさえたままでインドネシアの人を受け入れるというのはどういうことか。どう考えても安い人材を求めてのことでしかないような気がしている。

 しかし、インドネシアの人たちは高給を望んでいる。新聞では「日本へ行くなら手取りで月2千ドル以上もらいたい」と言うインドネシア人の言葉が載っていた。円にして21万円以上の手取りである。日本人さえ正職員以外は無理な金額だ。

 それに日本で生活するにはお金がかかる。宿舎や食費を無料で日本政府は提供してくれるのだろうか。インドネシアの人は仕送りが目的だろうから、手元にはわずかなお金しか残らなくて、文化的で健康的な生活ができるだろうか。福祉ではお金にならないと、他の業種に移動して不法滞在とならないだろうか。

 インドネシアの人だけを待遇良くしたら(それはないだろうが)、日本人の介護職離れは進むし、インドネシアの人を安く使えば日本の介護職の賃金は上がらない。安い人材は外から連れてくればいいからだ。そうして、その仕事を政府が責任を持ってやるのではなく人材派遣の会社が間に入ることになる。その会社は儲けることを考えるのが当たり前で、いつか問題が起こるのは目に見えている。

 また、日本語は難しい。日本の国家試験に研修期限内に合格できるだろうか。合格できなければ帰国させるとなると、資格を持たないインドネシア人を研修という名目で安く使うのではないかと疑いをもつ。

 インドネシアの人たちが日本に入ってくるのを反対という訳ではない。一緒に気持ち良く働ければいいのだが、日本人にも条件が悪くて敬遠されている仕事を安く押し付けるのではないかと心配なだけだ。よく「日本のお金は向こうでは何倍もの価値ががある」などというけれど、今はグローバル化の時代ではなかったか。インドネシアの人だって先進国の人がいくら稼ぐか敏感になる。お金の価値も差が小さくなっているのではないかと思う。簡単に日本人が時給800円なら外国人は最低賃金ぎりぎりでも喜ぶと考えたら間違いだ。でも、他の研修外国人は最低賃金さえもらえない時給200円とかで働かせられた例もあると聞くと、どんな扱いをされるのか心配だ。

 でもこれは、看護や介護にたずさわる福祉関係の人たちのお話ではない。介護を社会化していくのなら、国民が本当に考えないといけないことだ。誰でも最後はぴんぴんころりと死ねるわけではないのだから。

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