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2008年2月22日 (金)

故郷を想う

 義母の九州の話で書きたくなった。ヘルパーで訪問する利用者さんの中にも、流れ流れて岩手に住んでいる方が何人かいらっしゃる。90歳も後半なのに元気で一人暮らしの利用者さんは、よく南の故郷の話をしては涙する。でも、ヘルパーステーションで、他のヘルパーさんが「20歳で岩手に来たら、岩手の暮らしの方が長いじゃない」と少しも同情的ではなかった。私は何も言わなかったけど、たぶん幾つになっても、岩手が好きでも故卿はなつかしいもので、美化されていくのかもしれない。私もときどき、ホームシックになるもの。たぶん、これからいくつになっても千葉や東京が恋しくなるだろう。でも、それをあまり岩手では言わない方がいいのだなと思った。

 義母も魚だけでなく、椎茸も九州のものが美味しいと言って親戚から送ってもらう。「岩手も椎茸の産地なのですが」と思うのだが、義母が岩手の物やお金を九州の親戚に送って、九州から何かを送ってもらうのは、九州の親戚との縁が切れないようにするためのかもしれない。それもあるが、九州の味、関西の味がなつかしいのだろう。孫たちに「これは九州の椎茸だよ。ここらへんのものとは違うでしょ」と食べさせようとするが、孫たちは椎茸をあまり食べない。なぜなら、山の家に住んでいた時、村中が椎茸栽培をしていたので、たくさんもらえた。子供たちに、春と秋には椎茸ばかり食べさせていたからかもしれない。違いのわからない孫たちだ。

 それはともかく、故郷は忘れられないものだ。私は、千葉より岩手のほうが好きである。山が好きだからだ。千葉には高い山がない。雪の岩手山を見るたびにいい所だと思う。でも、雪景色は好きだけど寒さには慣れない。特に春に入ってから鬱っぽくなる。ニュースでは花見の様子が映し出される。千鳥ヶ淵は職場で花見をする場所だった。そうして、その頃私の誕生日である。花の中で誕生日は祝われるものであった。しかし、岩手ではまだ雪が残っていたりする。

 たいてい春休みに子供たちを連れて千葉に帰ったが、帰ると母の菜園に小松菜やこちらでは二度豆というサヤエンドウがなっている。山の家の畑はまだ深い雪の中だ。本格的に畑仕事に入るのは5月の連休前ぐらいだった。千葉の庭にはローズマリーの花が咲いている。山の家では、ローズマリーを家の中に入れておいたのに、凍ってだめにしてしまった。(この冬はストーブのそばに置いて、もうすぐ花が咲きそう。) 春に千葉に帰るとめまいがしそうになる。千葉は南国だったのだ。それから、つくづく貧しく食べ物がなかったという山の人たちの昔話を思い出す。確かに雪に蔽われて畑で作物が取れる期間が短い。大変だっただろうな。

 息子たちは岩手産である。これからどこに住むかわからないが、岩手の山や川をいつも懐かしくなるだろう。

 春の陽射にはなってきたが、まだまだ寒い。これから春までが長いのだ。

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