
花巻の大沢温泉に来ています。
<追記>4月6日
写真は自炊館の本館2階の角部屋から撮った写真です。
今回部屋を指定したわけではないのに、いつも泊っている部屋に通されました。帳場の上の角部屋が気に入ったという話はしていたので、お客様記録にでもメモしてあるのかしらと思いました。
花巻には、大きな温泉街や台温泉、鉛温泉などいろいろありますが、うちは大沢温泉が好きです。はじめて泊まった時は、長男がよちよち歩くころで旅館に泊まりました。しかしその後、安かった旅館の旧館も建て替えて宿泊費も値上がりしました。それで、自炊館の方に泊まるようになったのです。
自炊館というのは、基本は素泊まり料金で自分で料理して食べる宿です。お布団や浴衣、丹前、ストーブなどを借りると何百円か料金に加算されます。台所には鍋からいろいろな皿まで揃っていて、使用料はなしです。ガス台は10円入れると、8分ぐらいガスが流れます。電子レンジもあります。我が家は、いつもメニューはすき焼きです。温泉ではお母さんは何もしなくていいことになっているので、夫と子供たちが用意も後片付けもしてくれます。
自炊館は、農家の方が農閑期に骨休みに長逗留するところです。お風呂でおしゃべりした78歳になるという女性は、「息子が車でふとんも運んでくれた」ということです。全部自分で持ってくれば、素泊まり料金で泊まれるのです。「でも、今日迎えさくる。帰ったら、仕事しなくちゃな。また忙しいな」と話していました。今年は雪解けも早かったので、農作業の開始も早いようです。自炊館って、昔の元気な人用ショートスティみたいなものだったとも思います。じじばばを温泉にやって、若夫婦はゆっくりするのです。小さな孫もつけられて、世話して泊っているお年寄りもいます。
今では、自炊館は農家の方だけでなく、うちのような家族や友達同士というグループも多いです。なんたって安いですから。それに建物もレトロでいい。自炊をしたくなければ、食堂もありますし、食堂から料理を運んでもらって部屋で食べられます。
温泉も秋田の乳頭温泉や青森まで足をのばしたこともあったのですが、なぜか子供たちが「大沢温泉がいい」と言います。彼らには花巻はなじみの場所なのでしょう。幼児の頃は、山の家では遊んでもらえる友達や公園もなく、近所のお年寄りの家をはしごして暇をつぶしていましたが、息が詰まりそうになると、花巻にドライブして宮澤賢治記念館で遊んでいました。小さなプラネタリウムと電動紙芝居が子供たちのお気に入りで、大きな公園で知らない子と遊びました。それから、花巻の病院にもさんざん通いました。花巻は思い出深い場所です。
今回は、新しくできた美術館やお店にも行きましたが、昔あった店や友達とわざわざランチに来たレストランがなくなっていました。商店街は淋しいばかりになっていくのが残念です。