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2008年4月の投稿

2008年4月28日 (月)

新緑

Img_1425 週末は、久しぶりに仙台に行きました。写真は、イルミネーションやストリート・ジャズや七夕で有名な定禅寺通りのけやき並木です。この日は、アート・フェスタ? いろいろな人が自分の絵や工芸品を売っていました。

 仙台は緑きれいな街です。それから、途中車窓から眺める山も新緑が楽しかったです。萌黄色の中にまじる山桜やこぶし。もう新緑の季節かと気持ちが焦ります。今年は「寒い寒い」と言っていた割に春のスピードが早いようです。

 半世紀近く生きているというのに、人に会えば教えられること多いです。無知をさらけ出すと、「論文のコピーを送るから」と手を差し伸べてくれる人もいてありがたくて、ビール飲み過ぎてしまいました。ビールの美味しい季節です。冬の間プチ禁酒をしていたのに、また毎日飲んでしまうこの頃です。

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2008年4月24日 (木)

チベットについて

 聖火がもうすぐ長野に来るらしいですが、聖火妨害に関する感想はあまりないです。こんなリレーは、お金の無駄だと思うだけです。

 私もチベットに憧れを持ちます。去年、中国のウイグル自治区から日本に勉強に来ている青年と話す機会があったので、チベットのことを聞いてみました。そのとき、青年の顔色が変わったことに気がつきました。そうして、「チベットよりウイグルのほうがひどい。資源があるから」と言いました。私の英語力がないので、それ以上話は深まりませんでしたが、少し不愉快そうだと感じました。ウイグル自治区の青年の顔はロシア系かどうかわかりませんが、私が思い描くアジア人の顔ではなく、ヨーロッパのほうに近いように感じます。「中国人です」と言われてもピンときませんでした。そんな彼が「中国人です」という背景には、私が簡単に知りえない深い苦しみがあるのが感じられてきました。

 中国がやり方には問題はあると思いますが、でも、少数民族に対して日本やアメリカ、フランスが何をやってきたでしょうか。メディアの発達していない時代でしたから、公表されているよりもひどい扱いは多かったと想像できます。でも、他の国もやってきたのだから、中国のことに口出ししない方がいい、というのではありません。

 自国のことは反省したうえで、少数民族とどう付き合っていくか、一緒に考えていく姿勢を見せることも大事かと思うのです。国は国のプライドがあります。特に、中国は国の面子にこだわるように思います。正しいことでも真正面から非難したら、中国がかたくなになるだけです。

 中国の面子を立てながら、うまく少数民族への政策に口を出せるような大人の外交手腕を日本には発揮して欲しいです。弱腰と言われても、相手に聴く耳を持たせることができる人物はいないでしょうか。

 私は、せっかく中国も国をあげてオリンピックを成功させようとしているのだから、それはそれ、政治とは切り離して応援し、「でも、人権問題は言い続けるからね。少しづつでも耳を傾けてね」と交渉することが大事だと思っています。聖火リレーの妨害は、マスコミのかっこうのネタになるし、中国を刺激するばかりで、チベット人の特になるのだろうかと、考えています。

 それから、チベットやウイグル、他の小民族の土地へ漢民族が入り込んで稼いでいます。それを一気に駆逐はできないでしょう。せめて、いろいろ規制や制度を作って、文化を守り、安心して安全に暮らせるように、世界から働きかけないと、少数民族の立場はますますつらいものになりはしないか心配です。

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2008年4月23日 (水)

韓国語

 2年生から第二外国語の講義があります。でも、私は前の大学で取った単位を認定してもらったので、講義受けなくてもいいのです。

 その単位とはフランス語でした。あまり成績悪いと恥ずかしいと思ったのですが、成績表を取り寄せたら、「優」が並んでいるではありませんか。びっくりです。だって、フランス語の記憶がもうどこにも破片も残っていないからです。これで認定はずうずうしいと思いましたが、認定してくれました。

 でも、いろいろな語学の先生がいるのに何も習わないというのはもったいない気がします。他の学部の社会人学生さんは中国語を一生懸命やっていて、先生に個人特訓を受けて検定に挑戦しています。彼女が言うには、「普通、教室で中国語を習うなんて高いのよ。せっかく教えてくれるのだからやらないと損でしょ」。そうです。社会人は払った授業料のもとは取らないと気がすみません。自分のふところから出たお金です。社会人学生がよく勉強すると言われるのは、「もとはとらないと」という考えに基づいているんですね。

 といいうわけで、韓国語の自由聴講をしています。もう一度フランス語と思いましたが、フランスに行くことはたぶんないです。韓国には一度行ったことがあります。九州の父の実家に遊びに行った帰り、博多からフェリーに乗って釜山に行きました。入国の書類には宿は高級ホテルの名を書きましたが、実際は何も予約もせず、行き当たりばったりで泊まるところを探していました。会話事典片手の旅でしたから、帰って来てから韓国語を勉強しようと『ハングルの初歩の初歩』という本を買いましたが、本棚に飾っているだけでした。今度こそは、少し読めたり話せたりしてみたいと願っています。4月からラジオのハングル講座も聞いていますが、ハングルの読み方というのがわかってきました。ただ、講義で発音を聞き取るとなると、違いのわからない日本人になっている状態です。同じ言葉もあるのに、中国、ハングル、日本語はこんなに発音が違うのでしょうか。言葉の成り立ちは不思議です。こういう分野をひたすら勉強するというのも面白いのかもしれません。

 それにしても英語というのはすごい。なにがすごいっていうと、中・高・大で英語を勉強してきただけのものが残っているからです。だって、大学を出てから英語を真剣に勉強してきたわけではなく、ここ2年ぐらい勉強し直しただけなのに、なんとなくテキストぐらいなら読めます。論文も辞書を引きながら解読できます。息子の中学英語ぐらいは教えられます。60歳に近い夫でも「疑問形の時はsomeじゃなくてanyだろ」なんて直してあげています。他の言語はみな暗号でしかないのに、英語は文として目が追えます。中学英語は本当に大事だなと思いました。

 しかし、おばさんが韓国後を習うと、若い学生さんが「韓国ドラマ好きなんでしょう」「韓国の映画よく観ますか」と言われる。もちろん韓国ドラマ好きだけど、あまり観ていない。なぜなら早寝だからです。大学の語学学習室には、『冬ソナ』などの韓国ドラマのDVDも揃っているので、いつかゆっくり観てみたいと思っています。

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2008年4月22日 (火)

気になるのは表に出ないこと

  「河野美代子いろいろダイアリー」に次のように書いてありました。

私、これまで後期高齢者医療の話を書いて、たくさんのコメントを頂きました。でも、私は、常に警告しているのですが、支払いが高齢者の方たちに負担をかけているという、それは、ほんの小さいことなのです。年金から天引きされる、だの、まだ保険証が届かないなどということに目を奪われていると、これは政治家の思うつぼなのです。

 それよりも、一体、国が何を目指しているのか、ということをちゃんと見極めなければ。厚労大臣が「いいことがいっぱいある。いい制度です。」というのを聞いて、何がいいのか、さっぱりわかりません

 年金制度でも、事務処理の杜撰さを責めるだけではだめです。これからのことを国民は本当に考えて政治家を選ばないといけないです。後期高齢者医療制度にしても、保険料は上がったとかも問題ですが、その後ろにある国の思想と国策としての医療を考えないと、騒いでいるうちに終わってしまいそうです。何にしても表面的なことを騒いでおしまいで、最近マスコミも政治家もうまくやっているような気がします。

 最近、戦前から戦後の医療政策の本や資料を読んだりしたら、いつも国はお荷物は捨てたがっています。今は国の語り口は気持ち悪いぐらいソフトですが、その裏にある思想は何も変わっていないのかもしれないと怖いこの頃です。

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2008年4月21日 (月)

お花見

 やっとお花見できました。

 日曜日、午前は息子のサッカーのスポ少の練習の後、今年度の打ち合わせ。今年度も私とEさんで世話人をやることになりました。Eさんは、3人目の息子さんで、3人ともサッカー少年ですから少年団のことは詳しく、良く動きます。私より年上ですが、威張ることもなく上品で、一緒にいると優しい気持ちになれるので、喜んで今年度も組ませてもらうことにしたのです。

 昼は花見だぞと思っていたら、夫は締め切り前で動けない、長男は部活です。それで、次男と友達、サッカー少年3人と近くのダム湖にお花見に行きました。去年、このあたりの桜の花つきが悪いと思って枯れたかと心配したのですが、今年は見事です。

 Img_1412_2                         

 博物館に自転車を置いて、山道を登って下りてダム湖の公園へ向かいます。途中、私は「ここで、たぬきとあったことあるよ。カモシカもいるんだよ」と話しました。息子は山の家にカモシカが来るので見たことあります。もうひとり、おばあさんの家に行ったとき、車から見たといいます。他の子は見たことないと話しながら歩きました。

 公園について、まずは柵にもたれながら、眼下に広がるダム湖と桜並木を見渡します。岩手山はぼんやり霞んでいます。

 ぼんやりしていたら、息子が「あれなんだ?」と言います。みんなで見ます。下の土手にいるのはカモシカではないですか。どこから来たのか。息子たちの「カモシカだ」という声を聞いて、周りの人ものぞきこみます。カモシカは私たちの方を見上げて、首をかしげて困った顔をしています。「どうするんだ、どうするんだ」と心配したら、一気に人間がいる階段を突き抜けて、林に入って行きました。ついつい春の陽気に出てきてしまったら、いつも静かな場所に人間がたくさんいてびっくりして、怖かったことでしょう。まだ、カメラがリュックに入ったままだったので写真が撮れなかったのが残念です。でも、サッカー少年たちは「来てよかった」と喜んでくれました。本当は集まってゲームをやろうとしているところを私が引っ張ってきたのです。

 それから、「花見ツアーをしよう」と提案し、ダム湖からおりて小鹿公園へ。そうして近道の丘を超えるために、自転車を担いで登り、ニュータウンに戻って来ました。(地元の人はわかると思います。けっこうなハードな散策コースです。)

 朝7時からサッカーの練習して、1日動き回っていた息子たちはさすがにへとへとになって、アイスを食べて解散しました。とりあえず、地元の桜は見たという満足感の母でした。

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2008年4月18日 (金)

長寿医療制度に重度障害者

 厚生省のサイトを開けば、「長寿医療制度」に変わっていました。身代わり早いです。

 でも、その「長寿医療制度」には、65歳以上の障害者も任意加入できるとか、重度障害者は強制加入されるとか言われていますが、医療費削減のほかにどんな意味があるのかわかりません。

 高齢者でも障害者でも「今までと同じ医療が受けらられます」と宣伝していますが、同じ医療を選択するには余計なお金がかかるとか、何か裏があるのだと素人も考えてしまいます。なぜなら、「何も変わらない」なら、分ける必要はないじゃないと思うからです。何か魂胆が隠れているのを国民に悟られないような飾られたむなしい文書が並ぶばかりです。

 それにしても、なぜ障害者を後期高齢者と同じ枠の中に組み込もうとするのか。「後期高齢者医療制度」と名づけた感性が、障害者も傷つけるような気がします。60代なんて今は若いですよ。障害者だって同じです。なぜ同世代の健常者と区別されるのでしょうか。ひどく失礼で差別的だと思うのです。なんだか厚生省の感覚がおかしいのでははいでしょうか。国連の「障害者権利条約」も20カ国目のエクアドルが批准して、5月3日には発行される新聞にありました(日本は、署名はしていますが、批准はしていません。)。日本は批准をするつもりがあるのでしょうか。

 それにしても「長寿」というネーミングもわざとらしくて、なんだかなと思いました。

● 「後期医療制度」 障害者は65歳以上から強制加入

http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2008041702004234.html

● 重度障害者、強制加入

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20080417-OYT8T00319.htm

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2008年4月15日 (火)

いきなり春

いきなり春
今年はじめて、大学隣にある森林公園を歩いて、お昼を食べている。
毎年驚く。この間まで零下だったのに、いきなり春になっている。
足元に蟻がうろうろし、キツツキのドラミングが聞こえる。
まだまだ、ベンチに座っていたいけど、講義に行かなくては。

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PTA役員

 昨日の夜、中学2年の保護者会があった。今年度の役員決めが大きな課題。もう何かやってしまおうかと思っていた。6年生の時に世話人をやって大変だったので、中3年生の世話人はやりたくない。でも、くじ引きやじゃけんに滅法弱いのだ。

 環境部か広報部かと狙ったが、会が始まるとすぐにお母さんたちが手をあげて世話人以外の役が決まってしまった。その早さに隣のHちゃんのお母さんと驚く。それから話があって、けっきょく世話人を引き受けた。世話人の大きな仕事は、地区の祭りで屋台を出すこと。そこで思い出した。お祭りのとき、研修があったんだ。ということでお断りしたら、「いなくてもいい。指示を出せばいいのだから」と説得される。まあ、夜の屋台は手伝えるし、私には夫という大きな助っ人がいる。家に帰ってきて、「世話人になったけれど、お祭りに動けないかもしれないから、代わりに動いてね」とお願いする。夫はけっこうお祭り好きだし、6年生の学年行事もよく働いてくれたので、お母さんたちに顔を知られている。夫はこころよく「何でもやるよ」と言ってくれる。

 友達が「世話人大丈夫」と心配してくれる。「6年生のとき大変だったトラウマがあるのよ。3年で嫌々やると、しぶしぶ役員になった人の集まりで、またいろいろあるかもしれないから、2年でやって終わりにしてしまいたい」と答える。

 それにしても役員なんてやらないですむ人もいるわけだし、逃げきれるかもしれないのに引きうけてしまう。そうして、自分から役員をやる人にはお馴染みの顔ぶれが多い。各クラスの世話人の名前を聞いて、「これなら私が動くこともない」というベテランお母さんたちでほっとする。夜、知り合いに用があって電話したら、「私なんか副会長よ」と言っていた。御苦労さまである。ただ、役員をやると学校の中の様子が見えて、友達もでき、なかなか勉強になるという利点もあるのだ。

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2008年4月14日 (月)

炊飯器でパン

Img_1409_2 「山の家に炊飯器が欲しい」と夫が買ってきた炊飯器は、パン焼き機能もついていた。面白そうだから、今使っている炊飯器を山の家に持って行ってもらい、新しいのを普段使いにする。

この炊飯器は発酵機能がついている。山の家に住んでいた時は、ガスオーブンがあるのでよくパンを焼いたが、寒いところなので、発酵させるのに苦労する。だから、お炬燵の中が発酵場所だった。発酵機能が付いた電気オーブン欲しいなと思っていたが、電子レンジはあるので家電をもうひとつ置く気にはならなかった。

 だから、この炊飯器のパン焼き機能はうれしい。

 おとといの土曜の夜、パンがないことを思い出した。次男はサッカーの練習のため、朝6時半に家を出る。朝食は、納豆ご飯ではなく軽くパンがいいと言われていた。そこで、夕食後に粉をこねる。小麦粉とイースト、塩、砂糖、オリーブ油があればOK.。お風呂に入っている間に発酵させ、10時過ぎには焼き上がった。

 写真は日曜の朝のパン。素朴な味わいで、息子は何もつけないで食べる。「おいしいよね」、それから「買うより安い?」と聞いてくる。「岩手産小麦一袋とイースト代が高いけど、4個ぐらい作れるから少し安いかな」と答える。

 この炊飯器でケーキも焼けるというので、やってみよう無塩バターをスーパーに買いに行ったら、棚にはバターがなかった。ニュースではバターの品切れが報じられていたけど、本当にないんだなと驚いた。

 

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2008年4月13日 (日)

後期高齢者制度の目的は・・・。

 先週、ヘルパー訪門のとき、利用者さんが「後期高齢者って嫌な名前だね」、だんだん年寄りが生きづらい世の中になるかもしれないと話します。

 それにね、この制度は「女に長生きするな」と言っているんだよ、と解説してくれました。

 つまり、日本の平均寿命は男が79歳、女が85歳ぐらいです。男性は75歳前に死ぬ可能性も多いですが、女性は75歳を軽く超えて生きてしまいます。75歳以上には女性が多いのは確かだから、国は女性にあまりお金をかけたくないというのが本音だと利用者さんの言葉でした。

 そうか、そう言われればそうだわ。高齢者は1日テレビを見ながらでもいろいろ考えています。もう誰かが言っていることなのかもしれませんが、私は気がつかなかったです。

 ついでにこんなことも言っていました。「女を大事にするつもりがない国のために子供なんて産まないと反抗すればいいんだ」。女性のストライキですね。いったい誰のために子供を産むのだろうかと、考えさせられました。

 帰って調べたら、アメリカや韓国の男性の平均寿命は75歳ぐらいでした。日本の男性の平均寿命も75歳ぐらいに落ちて落ち着くのかもしれません。75歳という数字がどうして選ばれたのか、勘繰りたくもなってきました。

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2008年4月10日 (木)

新学期

 今週は月曜が小・中学校の始業式で、いきなりお弁当作りも再開して、バタバタする。息子は二人ともクラス替え。それぞれ小学高学年と中学の2年と3年を過ごすクラスだからドキドキしていたらしいが、兄の方は「奇跡だよ」と喜んで帰ってくる。一緒になりたいと思っていた友達とほぼ同じクラスだった。「お母さん的にもいいクラスだよ」と言う。息子の友達のお母さんは知っているし、これは頼りになるという人たちばかりでうれしい。弟の方は、近所の仲のいい子と離れて少しがっかり。でも、先生がいいからまずはご機嫌よく帰ってくる。それぞれの春だな、子供がうれしと親もうれしいよ。

 母の方も月曜日から大学がはじまる。講義は金曜からスタートなのだけど、ガイダンスなどがあり、昨日は健康診断だった。昔、大学に行っていた時は健康診断などあったかしら。ぜんぜん記憶にない。「麻疹などの調査票」も渡され、母子手帳を持ってきて、麻疹やおたふく、風疹にかかっているか、報告せよとある。母子手帳など残っているはずもなく、千葉の母は覚えているだろうか。私たちは実習に行くから厳しいようだが、抗体を調べるための採血もしたから、お金のかかることだなと思った。

 去年の健康診断を思い出す。実に淋しいものだった。話す人は誰もいないし、それどころか、はじめて人からぎょっとした顔で見られる、蔑んだ目で見られるということを体験した。若い子や事務の人たちには私の姿が異様だったのかもしれない。高校出たばかりの若い子の中にいる中年のおばさん。冷たい視線、「この人なあに」という視線というのはあるのだとはじめて身を持ってわかった。錯覚ではない。今まで人からは親切にされるか、一目おかれるかという世界にいたので、私を見ないようにする視線にはこたえた。最後の内科検診で、若いお医者さんから「健康に気をつけてがんばってください」と言われ、横にいた年配の看護婦さんから「私も応援するわ。がんばってね」と、優しい言葉をかけられた時は涙が出てきたものだ。

 それも昔の話になってしまった。

 今では若い子たちも私という存在に慣れてしまったようだ。待っている間も男の子が、「めめさん国際福祉Ⅱ取りますか」と聞いてくる。「国際福祉Ⅰ」で一緒に発表した子だ。「無理かもしれない」などと履修計画の話もできる。事務の人も自然な対応をしてくれるようになった。異質なものも慣れてしまえば平気なのだ。

 今日は4年生や3年生と英語論文読みの自主トレをやる。英語の先生が時間をあけて教えてくれるのだが、皆の時間の調整役をやっているのが少し面倒ではあるけれど、この自主トレで長い文も目に慣れてきたかもしれない。ときどき、働かないで勉強していることに後ろめたくなるけれど、ここまできたら卒業するしかない。楽しんでやるのだ。

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2008年4月 8日 (火)

後期高齢者医療制度と終末期

 昨日、車の中で国会中継を少し聞いた。

 「後期高齢者医療制度」。その正体をよく知らないまま、スタートしたのだが、本当に保険証が代わっただけで、医療は手厚く受けられるのだろうか。負担はどれだけ多くなるだろうか。折込広告とともにチラシが入っていたりするのだが、私はよくわからなかった。でも、国会中継を聞いていて不安になってきた。

 舛添厚生大臣が、「9割の人が延命治療を拒否している(何の9割かはわからない)、在宅で終末期を希望する人が多い」ようなことを語っていた。終末医療をどうするか。「在宅で死ぬ」ことが、まるでいいことのように言われるが、本当にそうなのだろうか。確かに、在宅で親しい人に囲まれて最期を迎える在宅ホスピスの本など読むとそれはいいことなのだけど、そのための支援体制がどこでも手厚く備わっているわけでもないのに、自宅に帰されたりしないだろうか。地域で支えるしくみがなければ、負担は家族が背負うことになる。まして、家族がいない人、家族がいても面倒をみられない人はどうすればいいのか。そういう人は、病院や施設でみますが、家族のいる人は家族でみてくださいと言っているようにも聞こえる。でも、家族が同居の場合のヘルパー派遣も難しくなるようなことも聞いた。なら、家族の介護力に期待がかかっているのか。

 「在宅で終末期を迎えるという希望にかなった医療」、言葉はきれいだが本当の目的は、高齢者のことを考えたのではなく医療費を減らしたいためだということを忘れないでおこう。確かに無駄な医療費は多いかもしれないが、医者の薬の出し方や他にも問題があるのではないだろうか。なんとも「後期高齢者医療制度」は乱暴なやり方にならないか心配だ。

・・・・・ということを今朝書いた。それから、大学の図書館で『福祉労働 NO.118』を読んでいたら、『「終末期」医療の動向」という清水昭美という方の記事があった。まず、最初に「リビング・ウィル作成に診療報酬がつく」という新聞記事が引用されていた。

 http://www.mainichi.co.jp/universalon/news/prt/0210m094-400.html

 たしかに「終末期」をどう定義するのだろうか。ガンで「余命何か月」宣告された人が何年も生きるという例もある。高齢者は死にそうでもしぶとかったり、元気でも急に亡くなったり、予想はもっと難しい。「在宅医療の充実のため」ということも言われているらしいが、在宅医療の美名のもとで何が行われようとしているのか不安というか、信用できない。

 年取って、何もリビング・ウィルなんかを書かされて死まで管理されるのかしら。この制度に障害者も加えたいなどという話も聞くと、やはり何かおかしな気分になる。

 

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2008年4月 4日 (金)

大沢温泉

大沢温泉
花巻の大沢温泉に来ています。

<追記>4月6日

 写真は自炊館の本館2階の角部屋から撮った写真です。

 今回部屋を指定したわけではないのに、いつも泊っている部屋に通されました。帳場の上の角部屋が気に入ったという話はしていたので、お客様記録にでもメモしてあるのかしらと思いました。

 花巻には、大きな温泉街や台温泉、鉛温泉などいろいろありますが、うちは大沢温泉が好きです。はじめて泊まった時は、長男がよちよち歩くころで旅館に泊まりました。しかしその後、安かった旅館の旧館も建て替えて宿泊費も値上がりしました。それで、自炊館の方に泊まるようになったのです。

 自炊館というのは、基本は素泊まり料金で自分で料理して食べる宿です。お布団や浴衣、丹前、ストーブなどを借りると何百円か料金に加算されます。台所には鍋からいろいろな皿まで揃っていて、使用料はなしです。ガス台は10円入れると、8分ぐらいガスが流れます。電子レンジもあります。我が家は、いつもメニューはすき焼きです。温泉ではお母さんは何もしなくていいことになっているので、夫と子供たちが用意も後片付けもしてくれます。

 自炊館は、農家の方が農閑期に骨休みに長逗留するところです。お風呂でおしゃべりした78歳になるという女性は、「息子が車でふとんも運んでくれた」ということです。全部自分で持ってくれば、素泊まり料金で泊まれるのです。「でも、今日迎えさくる。帰ったら、仕事しなくちゃな。また忙しいな」と話していました。今年は雪解けも早かったので、農作業の開始も早いようです。自炊館って、昔の元気な人用ショートスティみたいなものだったとも思います。じじばばを温泉にやって、若夫婦はゆっくりするのです。小さな孫もつけられて、世話して泊っているお年寄りもいます。

 今では、自炊館は農家の方だけでなく、うちのような家族や友達同士というグループも多いです。なんたって安いですから。それに建物もレトロでいい。自炊をしたくなければ、食堂もありますし、食堂から料理を運んでもらって部屋で食べられます。

 温泉も秋田の乳頭温泉や青森まで足をのばしたこともあったのですが、なぜか子供たちが「大沢温泉がいい」と言います。彼らには花巻はなじみの場所なのでしょう。幼児の頃は、山の家では遊んでもらえる友達や公園もなく、近所のお年寄りの家をはしごして暇をつぶしていましたが、息が詰まりそうになると、花巻にドライブして宮澤賢治記念館で遊んでいました。小さなプラネタリウムと電動紙芝居が子供たちのお気に入りで、大きな公園で知らない子と遊びました。それから、花巻の病院にもさんざん通いました。花巻は思い出深い場所です。

 今回は、新しくできた美術館やお店にも行きましたが、昔あった店や友達とわざわざランチに来たレストランがなくなっていました。商店街は淋しいばかりになっていくのが残念です。

 

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2008年4月 2日 (水)

あれは自分ではなかったか

あれは自分ではなかったか―グループホーム虐待致死事件を考える Book あれは自分ではなかったか―グループホーム虐待致死事件を考える

著者:下村 恵美子,高口 光子,三好 春樹
販売元:ブリコラージュ
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 大学の図書館の新刊コーナーにあった本。気になって図書館で一気に読んでしまいました。

 2005年2月11日に、石川県のグループホームで起きた利用者への虐待致死事件について、介護界のカリスマと言われる3人がセミナーを開いたときの記録。最後に参加者の感想もあります。

 夜勤がほとんど一人で行われている事実(グループホームだけではなく特養などでも)に驚きます。11時間一人で20数名の対応に追われるなんて聞いただけで、「私にはできません」とお断りするしかないです。そんな体力ありません。石川県も加害者は若い介護志望の若い男性でした。昼間の仕事は従事せず、夜勤だけ専門だったそうです。若くて体力あって、志もあったところを利用されたのだと思います。その事業所が問題があり、嫌になったら逃げれば良かったのに、逃げられなく追い詰められたところに問題があるようです。

 多くの介護従事者が、夜勤での格闘の中、自分にも起こるかもと話します。家族もつらく、そうしてやっと施設に入れたら、ケア・ワーカーがつらくてしんどい。家族の苦労をケア・ワーカーに安い賃金で押しつけているだけなのではないだろうか。もっと人的ゆとりのある介護ができるような予算にして欲しいと思いました。夜勤を一人で勤めるのはつらいと思います。どうしたらいいか相談できる人がいて、1時間でも交替で仮眠するとかしないとイライラはつのるばかりで、ミスをしそうです。あらためて、施設のケア・ワーカー、病院の看護士の夜勤があって成り立つ世界があったのだということを思いだしました。その世界は、女性が多いと思いますが、今はどうなのでしょうか。

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