「旧作半額」という幟を見て、TUTAYAに入り込む。それで、悩みに悩んで何枚かのDVDを借りるが、スゥエーデンとノルウェー製作の『キッチン・ストーリー』が面白かった。
物語は、1950年代ごろか。第2次大戦の話も出てくる。スェーデンの家政学の調査団が、主婦の台所での行動を調査していた。新製品開発のためである。その調査を次は隣国ノルウェーの独身男性対象に行うことになる。各調査員がそれぞれノルウェーの男性のもとに送られる。主人公は、調査員のフォルケと被験者のイザック。調査のルールは、会話をしてはいけない、仕事を手伝ってはいけない、客観的な観察方法で行われる。ところが、被験者は台所で料理をしない。隠れて寝室で料理する。そういう意地悪はイザックだけでなく、他の被験者のノルウェー男性たちもしているらしい。
わざと、観察者の前でチョコやお酒を美味しそうに味わったり、天井に穴をあけて、観察者を逆に観察したりのイザックの偏屈な様子が描かれるが、ふとしたことから会話をするようになり、その会話はなくてはならないものになっていく。フォルケはイザックのライフ・ストーリーの聞き役となるのだ。フォルケだけではなく、他の調査員も被験者と仲良くなって酒を飲んだりして、上司にとがめられる。ひとりの調査員は「会話しないで、何がわかるんだ」と仕事を放棄する。
また、イザックとフォルケが親密になっていく様子を見た、やはり孤独なイザックの友人はフォルケを面白く思わない。彼が上司にちくったのか、フォルケは仕事を首になり、スェーデンに返される。クリスマスを一緒に過ごそうと約束したフォルケは国境を1歩でると、仕事の役目は終わったとノルウェーのイザックの家に向かうのだが・・・。最後は悲しく、でも春は来るというお話だった。
映画の冒頭、スェーデンの調査団のキャンピング・カーが国境を越えてノルウェーに入る場面がある。スェーデンでは日本と同じ車は左側通行なのに、ノルウェーに入ったとたん右側通行となる。「右側走ると酔ってしまう」というセリフもある。映画の中では、通行を統一しようという話があるということだったが、現在も右と左で違うのだろうか。
掘り出し物はないか、棚をじっくり見てまわり、やっとカウンターにDVDを持って行くと、カウンターの女の子が「めめさんですよね」と声をかけてくる。何かの確認かと怪訝な顔をすると、「同じクラスのものです」と言う。「ごめんわからない」と正直に言う。私はいつも前の方に座っていて、その周りに座る学生さんは決まっている。その子たちとは挨拶をしたり、試験情報を教えてもらったりするのだが、後ろの方に座っている学生さんは顔を知らないの。しかし、息子の部活の迎えのため、身なりも構わず外に出たのだった。家を出るとき、息子を抜かして夕食を食べた後で、「歯も磨かないけど、誰に会う訳ではないから」と家を出たが、まだ息子の練習が終わらないのでレンタル屋に入り込んだ。春休み、クラスメイトがどこでバイトしているかわからない、きちんとして出かけなくては。