肌で感じた怖さ
●知的障害者が警官に取り押さえられた後、死亡した事件
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080315/trd0803151550009-n1.htm
●施設で障害者に日常的に暴力
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200803/2008031700798
前にも知的障害者への過酷労働を行っていた札幌の事件を取り上げましたが、気をつけてニュースを見ると、まだまだ障害者への不当な差別は多いようです。
でも、私も知的障害の方と接したことがありません。そこで、あるボランティアに紛れ込んで知的障害の子供たちの施設を見学しました。その体験はすごくショックでした。子供たちは言葉もない子が多かったのです。どう対応していいかわかりませんでしたが、子供のほうから寄ってくれました。ショックだったのは、スタッフの子供たちへの態度でした。まるで私が超不機嫌でイライラしている時に、子供たちに「静かにして!」と怒鳴っている姿を見せられたようです。すごく自己反省しました。しかし、スタッフは外部の目があるのにきつい口調や態度があるのは、これが日常なのだと考えました。
高齢者の施設でバイトしていますが、スタッフは親切です。言葉遣いも丁寧です。新しい所長さんの方針は、「おもてなしの心」です。そういう世界から来た者には、利用者である子供へのきつい言葉がグサグサ胸に刺さりました。
子供は知的障害者なので、サービスにクレームつけないからでしょうか、しつけのためでしょうか、まわりの人がそれほど疑問に思っていないのが不思議でした。私が甘いのでしょうか。「毎日この仕事をしてみなさいよ」と言われているような気がしました。そうして、知的障害者への差別的対応の事件がやっと肌で感じられたのでした。1歩間違えれば虐待も起きる。起きているのではないか。もちろん、もっとスタッフの対応がいい施設もあるはずです。
前にある老人施設に入っている軽い知的障害と聴覚障害のある方のヘルパーに行ったことを思い出しました。そこでも、若いかわいいスタッフが私の利用者さんをしかり、バカにする姿を見ました。私が間に入ったら「ヘルパーさんは関係ない」と怒られました。そのときは、「この子もどこかで福祉を勉強してきたのに、なぜこうなるのだろう。はじめは理想があっても施設の色に染まるのだろうか」と考えてしまいました。そうして今回もまだ学校を出たてと思われる20代のスタッフの態度が気になりました。その無表情な感じも気になりました。施設というのは気が緩めれば、流されやすい場であると思います。
私はここで働けるだろうか、と想像しました。下っ端のくせに、先輩のやり方に口を出せばいじめにあいそうです。それに戦っていけるだろうか、辞めるか波風立てないでその場の空気に飲まれていくだろうか。考え込みます。簡単に変えることができない、所長にでもなって変えるしかないと考えました。
スタッフの研修はどうなっているのか、第三者委員会はあるのか、高齢者のほうは利用者の権利が浸透してきていますが、障害者はどうなのだろうか。まして子どもはすごく弱い立場にいることに改めて気づかされました。
障害者問題にかかわることになって、勉強しなくちゃ、そのために動いていろいろ見てみようというのが、春休みの課題でしたが、ショック多すぎて無力感大きいです。今頃気がついたのかと怒られそうです。こうやって動けば目や耳に入ってくることですが、興味を示さなければ障害者のことは他人事でしかなく非障害者の目に入って来ないことがよくわかりました。
とにかくやることは多いようです。